KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

人形

© The Kyoto Costume Institute, photo by Toru Kogure

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人形

18世紀初期 - イギリス

素材・形状特徴
木製の人形。目はガラス製。人髪ウィッグ。白地に絹ブロケードのガウンと靴。リネン製のシュミーズ、コルセット、2枚のキルティングのペティコート、ポケット、絹ニットの靴下。
寸法
55.0cm (人形本体の長さ)
収蔵品番号
AC1774 78-41-178

18世紀初期の人形。成人女性のプロポーションを持ち、手足を動かすことができるが、ドレス自体は少女用のもの。背身頃から垂れ下がる共布の紐は子供の歩行を大人が補助するための名残で、ティーンエイジャーの少女になるまで付いていた。また、後ろがレーシングになっていることもこのドレスが少女用の服であることを示している。テキスタイルは当時流行の植物柄を多色で織ったものを使用。ドレスの下には精緻なキルティングのペティコートやポケット、コルセット、ニットの靴下、ドレスと共布の靴などが着装されている。 18世紀、人形は子供の玩具用のものと共に、ファッションの伝達を目的とする人形があった。雑誌などのメディアがまだ発達していないこの頃、最新流行の衣装に身を包んだファッション・ドール(マペットあるいはパンドラ)と呼ばれる人形は、パリからヨーロッパ各地の宮廷に定期的に送られ、流行の服飾をまとってパリのファッションを伝達した。

1700s-1750s