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京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

フード付きケープとペティコート[左] ドレス(ローブ・ア・ラングレーズ)[右]

© The Kyoto Costume Institute, photo by Toru Kogure

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フード付きケープとペティコート[左]
ドレス(ローブ・ア・ラングレーズ)[右]

1790-95年頃 - フランス[左]
1790-95年頃 - イギリス[右]

素材・形状特徴
ケープはアルザス製の焦茶地に花柄プリントの綿チンツ。プリーツの縁飾り。裏地は小花の綿プリント。ペティコートは絹サテンにキルティング。[左]
茶の平織綿に花柄の木版プリント。背中央にボーン入り。ペティコートは綿ガーゼに植物模様の全面柄を白糸刺繍。フィシューは綿モスリンに白糸刺繍。[右]
収蔵品番号
AC4236 82-12-6, AC3848 81-16-7 [左]
AC5065 85-3-1 [右]

左のケープは、「ラモヌール(煙突掃除人)」と呼ばれたアルザス製プリントで、焦茶色の地にインド更紗風の花柄を全体に散らしている。右は花柄を全体に配したイギリス製プリントによるローブ・ア・ラングレーズ。
インド製の手描きや捺染による絵柄の綿織物インド更紗は、西欧で17世紀に知られ、大流行した。繊細で異国的なモチーフ、鮮やかな色彩の綿の捺染布は、室内装飾だけでなく、衣服用の布地としても流行する。18世紀以降、西欧に捺染産業が発達し、フランスではジュイをはじめ、アルザス地方がよく知られている。
これらインド更紗は、フランスでアンディエンヌ(インドからもたらされたものの意)、イギリスでチンツ(色とりどりの意)と呼ばれた。

1780s-1790s