KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ジャケット、スカート

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ジャケット、スカート

1865年頃 - アメリカ

素材・形状特徴
黒いウール・フェルトのジャケット。前あきにジェットの釦。ヨーク、袖口、腰のポケットに黒い絹タフタとジェットの装飾。打ち合わせ、袖口、裾にブレードの装飾。黒い絹ファイユのスカート。
収蔵品番号
AC5510 1986-52, AC2929 1979-29-5C

テイラード仕立ての要素がうかがえるジャケットと、1860年代の流行である後方に大きくひろがったクリノリン・スカートの組み合わせ。過剰な装飾をそぎ落とした洗練された服の輪郭を、黒色がより強調している。
マニッシュなジャケットや黒など当初は女性用乗馬服に採り入れられた男性服の影響は、19世紀後期、日常着にもひろがり、テイラード・スーツへと発展していく。
ジャケットの装飾には黒い宝石、ジェットが使われている。亜鉛、又は石炭の変種であるジェットは、西欧では古来より様々な工芸品の装飾に使用されてきたが、19世紀後期、喪服に関わる黒の流行と共に女性の装飾品として注目された。

1850s-1860s