KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

デイ・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

画像にマウスカーソルを乗せると拡大します。

デイ・ドレス

1867-1868年 - イギリス

素材・形状特徴
白い綿ピケのボディス、スカート、オーバースカート。ボディスの肩、背中心及び袖口、スカートとオーバースカートの裾に沿って黄土色の綿糸によるコード刺繍。ボディス前あきに金属製の釦。茶色の絹タフタのシャトレーヌ。
収蔵品番号
AC10225 1999-40-4AC, AC3337 1980-21-23AB

ジャケットとスカートのセットのようにみせたスリーピース・ドレス。純白の綿ピケに施された連続的なアラベスク模様のコード刺繍が、リズミカルな視覚効果を生んでいる。
この時代、オリエンタリスムが流行するなかで、その影響はファッションにも広がった。アラベスク模様はその代表で、当時の雑誌や絵画にも数多く記録されている。
さざ波のようなテクスチャーを持つ綿ピケは、主に散歩用や旅行用のカジュアルなドレスとして流行した。また、腰に付けたベルトからチェーンやストラップなどで小物入れを吊り下げたシャトレーヌ型バッグは、19世紀後半に流行した。

日中は片手に日傘を手放せなかった女性たちの外出に重宝に使われ、彼女たちの軽快な行動を演出した。

1850s-1860s