KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

イヴニング・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Richard Haughton

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イヴニング・ドレス

1894年頃

デザイナー
シャルル=フレデリック・ウォルト
ブランド
ウォルト
レーベル
無し
素材・形状特徴
アイボリーの絹サテンのツーピース・ドレス。ジゴ袖。衿ぐり、胴部にペール・ピンクの絹シフォンの装飾。スカート前面に左右非対称の構図で表現された陽光と雲のモチーフは、ペール・ピンクの絹チュールのはめこみとビーズ刺繍による。
収蔵品番号
AC4799 84-9-2AB

すっきりと広がるスカートと大きく膨らんだエレファント・スリーブは、1895年頃の典型的なシルエット。スカートに大胆に施された陽光と雲のデザインには、日本の美術・工芸品のデザインに特徴的な非対称性が見てとれる。
19世紀後期、ジャポニスムの隆盛を背景に着物やそのデザイン見本帳である「雛形」が西欧に渡った。そこに示された日本の文様や左右非対称の構図は、本品のようにパリ・オートクチュールにも新しいデザインとして吸収されていった。

1890s