KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ディナー・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Kazumi Kurigami

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ディナー・ドレス

1892年頃

デザイナー
シャルル=フレデリック・ウォルト
ブランド
ウォルト
レーベル
C. Worth
収蔵品番号
AC9206 95-7

大きな袖と一面に散らされた菊柄のテキスタイルが印象的なドレス。1880年代後半からバッスルは縮小し、スカートのラインはすっきりとした形へと移行していった。それに対して、袖が90年頃から大きく膨らみ、ジゴ袖の再来ともいえる大きな袖は、エレファント・スリーブと呼ばれ、95年頃最大となった。
またここで使われている菊のモチーフは、当時のジャポニスムの流行を裏付けている。19世紀半ば、日本から西欧にもたらされた菊花はジャポニスムの流行を背景として人気が高まり、1880年頃には西欧各国に菊協会が生まれる。さらに、87年にはピエール・ロチの『お菊さん』が出版されて欧米でベストセラーになると、「菊=日本」というイメージが形成されていく。

1890s