KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

室内着

© The Kyoto Costume Institute, photo by Kazumi Kurigami

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室内着

1906年頃

デザイナー
不詳
ブランド
飯田高島屋
レーベル
S.IIDA, "TAKASHIMAYA" SILKS & EMBROIDERIES. KYOTO.
素材・形状特徴
グレーの絹平織り。後身頃から前身頃にかけて、桜の木に留まる孔雀の刺繍。袖口に組紐と房飾り。ピンクのフキ。裏地は羽二重。
収蔵品番号
AC9265 95-41-1

日本から欧米へ輸出されたキモノ風室内着。桜と孔雀の大胆な刺繍、脇に嵌め込まれた三角形のマチ布、裾に向かって緩やかに広がった身頃、カーブした衿など欧米市場向けにアレンジされている。高島屋の前身である飯田高島屋は、既に19世紀末には積極的に貿易事業を展開していた明治期の大手呉服店である。
19世紀後半、欧米では各地で開催された万国博覧会などを通じ、日本熱が広がった。日本の着物は好まれたものの一つで、流行のドレスに仕立て直されたほか、1880年代には社会的な制約が緩やかな室内着として着用されはじめ、20世紀初期にかけて欧米で広く人気となった。フランスでの初見が1876年とされる「kimono」の語は、現在、欧米では一般的に室内着の意味として定着している。

1900s