KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

イヴニング・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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イヴニング・ドレス

1932年

デザイナー
マドレーヌ・ヴィオネ
ブランド
マドレーヌ・ヴィオネ
レーベル
無し
素材・形状特徴
黒の絹サテンのワンピース・ドレス。見頃は2ピース、スカート部は大小5ピースで構成。バイアス・カット。
収蔵品番号
AC3700 81-3-2

一見シンプルな黒のイヴニング・ドレスは、ヴィオネの緻密な計算によるバイアス仕立て。経方向、緯方向で伸び率の異なるバイアスの地の目は縫製が極めて難しい。ヴィオネはあらかじめ布を伸ばしたり高度なカッティングや縫製技術を使うなどして布地の伸びを調整していた。ファッションに女性特有の曲線的な身体の線が蘇った1930年代、その線をしなやかに際立たせるバイアス・カットの真価が発揮される。ヴィオネはまるで解剖学者のように体を独自の分割線でとらえ、バイアス・カットで構成して革新的な作品を生み出した。

1930s