KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

イヴニング・ケープ

© The Kyoto Costume Institute, photo by Taishi Hirokawa

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イヴニング・ケープ

1938年

デザイナー
エルザ・スキャパレリ
ブランド
スキャパレリ
レーベル
無し
素材・形状特徴
黒のベルベット。バイアス使いの布を3枚接ぎ。金糸、シークイン、ビーズでアポロン神、馬、雲を刺繍。
収蔵品番号
AC9227 95-19-1

スキャパレリらしいダイナミックさを見せている豪華なイヴニング・ケープ。1930年代、スキャパレリはダダやシュルレアリスムといった当時の美術界に接近し、そこから多くのインスピレーションを得た。本品もその代表的な例である。金糸やシークインなどで立体的に刺繍された馬車で天空を翔けるギリシア神話の神、アポロンは、画家、舞台装飾家としてパリで活躍したクリスチャン・ベラールのデザイン。オートクチュールの至芸の一端を担う刺繍は、1924年に開店した刺繍工房ルサージュによる。

1930s