KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

イヴニング・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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イヴニング・ドレス

1953年頃

デザイナー
ジャック・ファット
ブランド
ジャック・ファット
レーベル
JACQUES FATH PARIS
素材・形状特徴
白の木綿ピケに黒の水玉プリントのワンピース・ドレス。黒のパイピングの装飾。
収蔵品番号
AC7594 92-23-2

まるでクリノリンの時代を彷彿させるような、1950年代ファッションの典型が示されている。ボディスには5本のボーンが裏打ちされた構築的なフォルムだが、綿ピケと水玉模様の若々しい躍動感、それにアクセントを与えるパイピングは、現代的でカジュアル。後のファッションのカジュアル化を予測させる、堅苦しさを嫌った特徴が明快である。1954年に急逝したファット晩年の作品。1937年にパリでオートクチュールのアトリエを開いたファットは、40年には早くも人気メゾンとなり、第二次大戦後、米国における既成服の展開で成功を得た。優美な50年代ファッションに軸足を置きながらも「Alternative(伝統にとらわれない)」と評された、カジュアルな持ち味が特徴だった。

1950s