KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

イヴニング・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Taishi Hirokawa

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イヴニング・ドレス

1955年秋冬

デザイナー
クリスチャン・ディオール
ブランド
クリスチャン・ディオール
レーベル
Christian Dior PARIS MADE IN FRANCE AUTOMNE-HIVER 1955 (75917 スタンプ)
素材・形状特徴
シャンパン・ピンクの絹サテンに重ねたチュールに銀糸、スパンコールの刺繍。
収蔵品番号
AC7081 92-8-5

クリスチャン・ディオールの優雅な作風を代表する作品。ドレス全体を飾る刺繍は、身体の部位によってパターンの大きさが異なり、細いウエスト、スカートの広がりを強調している。オートクチュールならではの完璧な技術である。1950年代のオートクチュール全盛期において、イヴニング・ドレスの刺繍は質、量ともに隆盛を極めた。とりわけディオールは、先に刺繍した生地を仕立てた後、接ぎ線などを隠すため、さらに上から刺繍を施したが、本品でもそうしたテクニックが見られる。
ディオールの優雅なスタイルは、品位を重視する階級の人々に愛用された。顧客リストには、イギリスのマーガレット王女、アルゼンチン大統領夫人エビータなどの顔ぶれが並んでいた。

1950s