KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

カクテル・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Richard Haughton

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カクテル・ドレス

1958年頃

デザイナー
不詳
ブランド
大丸ディオール・サロン
レーベル
Christian Dior EXCLUSIVITE POUR LE JAPON par DAIMARU
素材・形状特徴
オレンジのレーヨン製金襴。金銀の「テトロン」糸で松を織り出した。ドレス内側に既製のブラジャー付き。
収蔵品番号
AC7598 1992-23-6A

ズワーブ・スカートが大きく膨らむ、金銀で松を織り出した金襴が派手やかに映えるドレス。ズワーブ・スカートは1957年のクリスチャン・ディオール急逝後、メゾンを引き継いだイヴ・サンローランの特徴的なデザインである。製作は大丸ディオール・サロン。1954年、大丸がディオールと国内独占契約を結んで開設したオーダー・メイド・サロンである。テキスタイルに使われたポリエステルは、東洋レーヨン(現東レ)と帝国人造絹絲株式会社(現帝人)が1958年に発表した「テトロン」。
オートクチュールのメゾンは世界にパターンを販売して合法的にコピーを認可していた。なかでも輸入衣料品に高い税金を課した米国では、既製服業者がメゾンからパターンを購入し、それを基に高級既製服が制作された。ディオールもメゾンを設立した翌年の1948年には、高級既製服とアクセサリーを扱うクリスチャン・ディオール・ニューヨーク社を設立。1950年にはライセンス契約などを手掛ける「ディフュージョン」部を開設した。本品も、こうしたディオールの世界戦略の一貫である。
大丸ディオール・サロンを嚆矢として、伊勢丹はピエール・バルマン、髙島屋はピエール・カルダン、三越はギイ・ラローシュなど、1950年代後期には百貨店とオートクチュール・メゾンとの提携が相次いだ。日本の一般女性も、パリ・ファッションの情報を時差なく受容する時代が到来しようとしていた。

1950s