KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Yasushi Ichikawa

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ドレス

1975年春夏

デザイナー
髙田賢三
ブランド
ケンゾー
レーベル
KENZO DESSIN FRANÇAIS
素材・形状特徴
白いアセテート平織りのドレス。青で竹と雀の模様を、薄縹で鱗模様をプリント。
クレジット・ライン
小山壽美代氏寄贈
収蔵品番号
AC8989 93-42-13

竹と雀、鱗文のプリント地は日本の伝統的な文様。直線的な裁断によるシンプルなワンピース・ドレス。袖まで一続きのヨーク部は肩線無しの左右の身頃で構成されている。ハイウエストで切り替えられたスカート部は、前後2枚の長方形のパーツである。髙田は1974年秋冬コレクションでビッグルックを提案し、本品もその延長線上にある。竹の主軸の直線を強調した文様をスカート部に配して、服のボリュームをすっきりと見せている。
「5月革命」の余波が残る70年代のパリは、自由が標榜されていた。それまでの着方のルールを踏襲しない、気取りのない、つまりカジュアルな着こなしが当時の流行だった。日本の着物、しかも普段着や野良着などの仕事着をフォークロア・ファッションの一つと捉え、そこから得た着想をパリ風の服にミックスさせた髙田の作風は、まさにこの方向性に合致していた。

1970s