KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

サンダル

© The Kyoto Costume Institute, photo by Masayuki Hayashi

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サンダル

1972年

デザイナー
不詳
ブランド
ジョイス
レーベル
無し
素材・形状特徴
赤い皮革。バック・ストラップ。プラットフォーム・ソール。
収蔵品番号
AC10331 2000-22-9AB

「bump toeバンプ・トゥ」と呼ばれる瘤のように盛り上がった爪先、2センチのプラット・フォーム・ソール、どっしりと太いヒールは高さ11センチを超す。1970年代初期に流行したプラットフォーム・シューズの特徴を明快に示す靴である。1940年代に流行したプラットフォーム・シューズは、40年代風の再来である「レトロ」なドレスやベルボトムのパンツと組み合わされた。
60年代末、カウンター・カルチャーと呼ばれる若い世代を中心とした体制への異議申し立てがひろがった。一環として、フォークロアなスタイルや労働着を起源に持つジーンズが流行した後、例えばロンドンのブティック「BIBAビバ」などのように、現実の時間から遠ざかるように、懐古的な傾向の表現も現れた。こうした流れのなか、イヴ・サンローランは71年春夏コレクションで40年代ルックを発表して「レトロ」と呼ばれ、高い肩のジャケットやターバン、プラットフォーム・シューズなどを蘇らせ、近い過去のイメージを楽しむファッションを提案した。

1970s