KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

スーツ、チョーカー

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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スーツ、チョーカー

1997年秋冬

デザイナー
ジョン・ガリアーノ
ブランド
クリスチャン・ディオール
レーベル
Christian Dior HAUTE COUTURE PARIS (スタンプAH97 29374)
素材・形状特徴
グレイのウール・ツイードのジャケットとスカート。ジャケットの裾にパッド。ロング・スカートはトレーンをひく。チョーカーは銀色の輪が35段つながる。
収蔵品番号
AC9559 98-13AC

究極のボディ・コンシャス服である。ジャケットの異様に高い衿こし、シャープな衿のライン、細いウエスト、曲線を描いて張り出す腰。メゾンの創始者であるクリスチャン・ディオールが得意とした美しいラインを彷彿させるこの服は、オートクチュールの繊細な技術を駆使して実現された。ボンデージ服ともいえるような完璧なフォルムは、西欧の服が伝統的に持つ身体の拘束性という要素を意図的に誇張しているかのようである。
ガリアーノは1996年から「ディオール」のデザインを手掛ける。歴史的、民族的な衣装、あるいはストリート・ファッションから自由に発想を得つつ、それらのディテールを自在にリミックスした現代的な作品を得意とする。古典的な優雅さを固守してきたディオール・ブランドを若返らせ、90年代のブランド・ブームを牽引した。

1990s