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本展は、ラグジュアリーに深く結びつく要素をもとに、4セクションで構成します。
「ラグジュアリーであること」の本質が多様で変化に富んだものであることを示すために、セクションごとに展示方法を選び、17世紀から現代までの服飾品90点を中心に構成し、ラグジュアリーとは何かを考え、その本質を見つめ直します。
と、パスカルは言っています。かつてから着ることの目的の一つは着る人の富や権力を誇示することでした。高価で希少な品で自らを過剰に飾り立てる行為は、人間の変わることない欲求といえます。一方で、この飽くなき情熱こそが職人を育て、芸術や産業を発展させていったことも歴史的な事実です。
このセクションでは、金糸や銀糸をふんだんに用いたきらびやかな衣装や多くの人の時間と手のわざを費やして作られた豪奢なテキスタイルのドレスなど、〈見せること=顕示〉をテーマとした服を中心に展示します。
華美な装飾が好まれる一方で、近代は行き過ぎた豪華さを避け、シンプルで日常的なスタイルを望む方向へ向いました。とりわけ快適さや機能性がデザインに強く求められている現代において、その傾向は顕著です。それを可能にするのはデザインの造形性、素材に対するこだわりや簡素でありながらも衣服を美しく見せる高い技術力の存在です。
このセクションでは、シャネルの機能的なアンサンブルやバレンシアガの構築的なドレスなど、削ぎ落としたデザインの中に上質さと精緻な職人技が凝縮したオートクチュールの作品を中心に構成します。
ラグジュアリーであることは物質的、金銭的なものだけにとどまりません。「今までにない服」の制作に挑戦する作り手。そのような服に出会い、作り手が込めた情熱を受け止めようと努力する着用者。両者の間に生まれる〈着る〉ことをめぐる濃密な体験もまた、精神的なラグジュアリーであるといえるでしょう。
このセクションでは、ファッションにおける〈美〉や〈洗練〉の価値転換を図ったデザイナー、川久保玲の作品を通じて、衣服の創造性とラグジュアリーの関係を考察します。
東京都現代美術館での特別展示は、京都服飾文化研究財団(KCI)のコレクションより選んだコム・デ・ギャルソンのアヴァンギャルドなスピリッツに満ちた服約30点を、建築家、妹島和世デザインによる空間に展示します。
ルーブル・ランス(フランス)や金沢21世紀美術館など、場所や利用者との関係性を新鮮な目でよみこんだ建築プログラムとミニマルで透明な質感と形により、革新的なスタイルを確立したクリエイター、妹島和世。妹島の新解釈による空間の中で、コム・デ・ギャルソンの革新性はより輝きを増します。透明で多様なボリュームの空間が重なり合っためくるめく遠近感のイリュージョンの交錯、観客の身体と服の関係を変容させる空間が出現します。
希少なものには付加価値がつくことは誰しも認めます。ただ、何が希少かの判断は人によって大きく変わります。
たとえいつも目にするものでも、ひとたび違う文脈に置かれれば世界にひとつだけの価値ある「unique」なものになりえるのです。これは、大量消費型社会からの転換を目指している現在において非常に有効な考えではないでしょうか。
このセクションでは、「一点もの」「リサイクル志向」「ハンドメイド」といった現在のラグジュアリーに結びつくメゾン・マルタン・マルジェラの一点ものの作品を展示します。
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