KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ディナー・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ディナー・ドレス

1883年頃

デザイナー
シャルル=フレデリック・ウォルト
ブランド
ウォルト
レーベル
WORTH 7, RUE DE LA PAIX. PARIS
素材・形状特徴
ワイン・レッドの絹サテンとカット・ベルベットのストライプ。薔薇の葉のモチーフはカット・ベルベットとアンカット・ベルベット。ツーピース・ドレス。袖口にチュールとリボン飾り。エプロン状のオーバー・スカート。
収蔵品番号
AC9712 98-29-2AB

絹サテンとカット・ベルベットの縞柄に加えて、カット・ベルベットとアンカット・ベルベットによって陰影をつけた薔薇の葉のモチーフを散らしたドレス。複雑な技法によって織られた重厚さのある美しい素材は、リヨン製絹織物の技術の高さを物語っている。ドレープを寄せたエプロン状のオーバー・スカートやトレーンが、バッスル・スタイルのこのドレスをいっそう格調高く演出する。
ウォルトは、リヨン製絹織物をドレスにふんだんに使用した。当時のヴォリュームのあるドレスに惜しげもなくたっぷりと使われたリヨンの絹織物は、最新流行のモードとして世界各地へ送り出された。リヨンは技術面や芸術面において他の生産地を制し、パリ・モードの素材供給地として確固たる地位を築いた。

1870s-1880s