KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

テキスタイル

© The Kyoto Costume Institute, photo by Richard Haughton

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テキスタイル

1912年頃 - フランス

素材・形状特徴
オレンジの波柄が織り出されたシルク・ダマスク。
寸法
173㎝(長さ)×95㎝(幅)
収蔵品番号
AC8937 93-27-3

朱色の経糸と灰色の緯糸で波の渦が織り出された絹ダマスク。波しぶきのハイライトには銀糸のブロシェが用いられた。本品と同様の小裂(こぎれ)が、J・クロード社が1912年7月6日から1913年8月7日までの約1年間にわたってフランス各地で製造された絹織物を収集して貼付した「生地見本帖」の中に貼付されている。その日付は、1912年8月6日。J・クロード社は、1839年頃に創業した生地見本帖の制作会社である。波のモチーフは日本的なものの典型の一つととらえられていた。17世紀から19世紀の日本の織物をカラー写真で紹介する『エトフ・ジャポネーズ』(M・P・ヴェルヌイユ編、1910年)などをはじめとした多くの書籍に、同様のデザインの日本のテキスタイルが掲載されている。

1910s