KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

カーディガン、プルオーバー、ドレス、ベルト

© The Kyoto Costume Institute, photo by Taishi Hirokawa

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カーディガン、プルオーバー、ドレス、ベルト

1996年春夏

デザイナー
マルタン・マルジェラ
ブランド
マルタン・マルジェラ
レーベル
(白い木綿テープ)
素材・形状特徴
ブラウンのレーヨン・トリコットのカーディガン。ナイロン・ネットのプルオーバー。アセテートのワンピース・ドレス。カーディガンとプルオーバーに転写プリント。ビニールのベルト。
収蔵品番号
AC9311 96-6AD

ナイロン・ネットのプルオーバーにはセーターの網目を、トリコットのカーディガンには皺のよったシャツをプリントしたセット。現実の触感と、プリントから呼び起こされる記憶の中の質感が生みだすずれを意図した、マルジェラらしい作品。
ベルギー出身のマルジェラは、1988年にパリ・コレクションにデビュー。古着を新しい服に再構成した作品は、新しいものを絶え間なく生みだすファッション・システムに異議を唱えるものだった。既成概念への安住を拒み続けてきた彼の姿勢を決定する重要な指針の一つとなったのは、川久保玲など、80年代、世界に注目された日本人デザイナーたちの方法論であった。

1990s