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京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

スーツ(ジャケット、パンツ)

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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スーツ(ジャケット、パンツ)

2006年春夏

デザイナー
エディ・スリマン
ブランド
ディオール・オム
レーベル
Dior
素材・形状特徴
黒のウール/ナイロン/ポリウレタンの平織。ジャケットは5つボタンのシングルブレステッド。
収蔵品番号
AC11373 2005-28AH

1960-70年代のスタイルを思わせるような極端に細身のスーツ。これまでのゆったりとしたスーツのシルエットを変更させ、新たなブームを作り出したのはディオール・オムのディレクターであったエディ・スリマンによる功績であるといっても過言ではない。シャネルのディレクターであったカール・ラガーフェルドは、当時彼のスーツを着用するために大幅なダイエットを行ったとも言われている。スリマンはイギリスを代表するロック・ミュージシャンらから多くの影響を受けたと語っており、本品にもその関連性がうかがえる。一方、ほとんど機能性を失い記号と化したサスペンダーや、ゴムバンドで留める、もはやネクタイとは言い難いネクタイなどを用い、遊び心に溢れている。スリマンは1997年にイヴ・サンローラン・リヴ・ゴーシュ・オムのディレクターに就任。2000年から2007年までディオール・オムのディレクターを務める。2012年には再びサンローランに復帰しメンズ・ウィメンズ双方を担当したが、2018年からセリーヌのディレクターを務めている。

2000s