KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

イヴニング・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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イヴニング・ドレス

1866年頃 - フランス

素材・形状特徴
ピンクの絹タフタのボディスとアンダースカートの上に、アイボリーの絹ゴーズと絹サテンのストライプのスカート、さらに同素材のオーバースカートを重ねる。巨大なクリノリン・スタイル。
収蔵品番号
AC9380 96-27-1AE

60年代に特徴的な後方に膨らんだ典型的なクリノリン・シルエットのドレス。エプロン状のオーバースカートも後方のボリュームを強調している。裾口の前後径約150cm、周囲の長さは約470cmにも及ぶ。
フランスは第二帝政期(1852-70)、ナポレオン3世[1808-73]治下の権威主義的な政策と近代化による経済成長で、衣服を含んだ贅沢品産業が大きく発展する。大量の布地を必要とするクリノリン・ドレスに繊細なレースや手の込んだトリミング装飾の数々。頻繁に開催される公的儀式や舞踏会、万国博覧会などの大イベントで富裕階級の女性たちはドレスの豪華さとその数を競い合った。

1850s-1860s