KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス「トラペーズ」

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

画像にマウスカーソルを乗せると拡大します。

ドレス「トラペーズ」

1958年春夏

デザイナー
イヴ・サンローラン
ブランド
クリスチャン・ディオール
レーベル
無し
素材・形状特徴
グレイのウール・リング・ツイードのワンピース・ドレス。衿元にボウ飾り。
クレジット・ライン
ティナ・チャウ財団寄贈
収蔵品番号
AC7657 92-43-7

「トラペーズ(台形)・ライン」と名付けられたこのドレスは、まだディオールにいた若きサンローランの出世作である。1950年代のドレスには見られない、ウエストの開放、簡潔なシルエットが際立ち、次のAラインへの過程へ踏み出すものといえよう。緻密に計算したダーツやアイロンといったオートクチュールの高度な技術によって、明快なフォルムが表現されている。
ディオールの急逝後にメゾンを継いだ若きサンローランの最初のコレクションで発表された。華やかな色や柄、素材など装飾の要素を削ぎ落としたミニマリズムは、60年代の簡潔なミニ・ドレスを予告するものとして興味深い。

1950s