KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

イブニング・パンプス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Taishi Hirokawa

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イブニング・パンプス

1950年代後半

デザイナー
ロジェ・ヴィヴィエ
ブランド
クリスチャン・ディオール
レーベル
Christian Dior, Roger Vivier, SUR MESURES
素材・形状特徴
ベージュの絹ジョーゼットにラインストーンと銀糸刺繍。
寸法
24cm (長さ) / 7cm (幅) / 6cm (ヒール高)
収蔵品番号
AC5418 86-31-2AB

ラインストーンと銀糸刺繍による、宝飾品のように華麗なイブニング用パンプスは、靴デザイナー、ロジェ・ヴィヴィエ Roger Vivier[1913-1998]の代表的な仕事の一つである。美術学校エコール・デ・ボザールで彫刻を学んでいたヴィヴィエは、友人から頼まれた靴のデッサンが好評となり、1920年代後半から靴デザイナーとして修業を開始した。1953年にディオールが靴のアトリエを開いた際に、ヴィヴィエは靴デザイナーとして抜擢され、63年までの10年間、ディオールのためにデザインした靴で名声を高めた。それらの靴のレーベルには、ディオールとともに、ヴィヴィエの名も併記されている。1963年にヴィヴィエは自らの名を冠したブランドを立ち上げた。
ヴィヴィエの靴は、華奢なつま先や革新的なヒールの形など、独創的でありながら洗練されたディテールに満ち溢れ、靴を芸術作品にまで昇華させた。名だたる女性たちがヴィヴィエの靴の虜となった。本品は、1950年代を象徴するモデルのスージー・パーカー Suzy Parker[1932-2003]が着用していた。

1950s