KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

コート、ウエストコート、ブリーチズ

© The Kyoto Costume Institute, photo by Taishi Hirokawa

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コート、ウエストコート、ブリーチズ

18世紀中期 - フランス

素材・形状特徴
コートは紫に花のブーケ模様の絹ブロケード。ウエストコートはピンクに花と毛皮の連続模様の絹ブロケード。赤の絹ベルベットのブリーチズ。
収蔵品番号
AC8940 93-29, AC4867 84-21-3, AC5916 88-55-35

18世紀中期の男性服。コートはカフが大きく、ウエスト両脇から後ろ裾にかけてプリーツがたっぷりとたたまれている。ウエストコートは腰が隠れるほどの長さがある。また、コートには銀糸、ウエストコートには多色の絹糸や金糸を用いて華やかな織り柄が施されている。 近代以前の西洋において、王侯貴族の男性服は女性服に劣らず華美で豪奢であった。自らの特権的地位を誇示し、服装によって身分制度を維持しようとする思惑からである。 ブロケードの織機は自在に柄を作ることができる反面、経糸の動きを調節する通糸(つうじ)を操作する助手が必要で、製作に時間がかかった。紋織がより機械的に作られるようになるには、ジャカード織機の登場(1804年)を待たねばならない。

1700s-1750s