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京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス(マンチュア)

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ドレス(マンチュア)

1740-50年頃 - イギリス

素材・形状特徴
青に銀糸で植物柄を織り出した絹タフタ・ブロケード。ガウンは、後ろウエスト両脇にボタンと長いトレーン。共布のペティコート。
寸法
トレーンの長さ、腰から183cm。布幅55.3cm、柄送り69cm。
収蔵品番号
AC10788 2002-29AB

大柄の植物柄が純銀製の銀糸によって眩いきらめきを放つテキスタイルは、スピタルフィールズ製の絹織物。青い絹タフタと銀糸のコントラストが見事な調和美を生み出している。マンチュアは、ガウン後部に長いトレーンのある構造が特徴。ガウンの両サイドを後腰にからげ、ガウン後部のトレーンは長くひいてテキスタイルの豪華さを見せる着装方法と写真のように後部トレーンを折り畳み後腰に留めて着用する方法などがあった。折り畳む際にも豪華な絹織物を見せるため、トレーン両サイドの布地は折り畳まれた際に表地になるように構成されている。 1670年代から18世紀初頭にかけて流行していたマンチュアは、イギリスでは1730年代から18世紀終わりまで宮廷服として残った。本品はイングランド南西部、デボン地方の名家ファーズドン家に伝わったものである。

1700s-1750s