KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス《カブキ》

© The Kyoto Costume Institute, photo by Kazumi Kurigami

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ドレス《カブキ》

1963年秋 - アメリカ

デザイナー
ルディ・ガーンライヒ
ブランド
ハーモン・ニットウェア
レーベル
Rudi Gernreich Design for Harmon Knitwear
素材・形状特徴
白黒のウールのジャガード・ニット。市松文様。打合せ風の大きなVネック。ピンクの濃淡の斜め縞の帯と黄緑の帯締風の装飾。
収蔵品番号
AC9186 95-3

黒と白の市松模様のワンピース・ドレスは、筒状のシルエットと深く切り込んだV字のネックライン、鮮やかで目を引くピンクの帯と黄緑の帯締め風の装飾が、着物をデザイン・ソースとしていることを明白に物語っている。布帛ではなくジャカードニットで制作されており、帯もベルトではなく単なる装飾である点は着物の表層的な模倣である。一方で、着物風の直線的なラインと日本の幾何学模様はオプ・アートにも通じ、60年代ファッションの要素と強く結びついている。
ルディ・ガーンライヒは、ユニセックス・ファッションを打ち出すなど、60年代アメリカにおけるアパレル・デザインの射程を拡張したデザイナーの一人。身体の動きを重視する立場から、ニットやスパンデックスなどの伸縮素材を積極的に作品に取り入れた。日本の大衆文化についても関心が高く、本品の《カブキ》以外にも《スモウ》《キモノ》《ジャパニーズ・スクールガール/スクールボーイ》と名付けられた作品群を発表している。

1960s