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京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス「タトゥー」

© The Kyoto Costume Institute, photo by Masayuki Hayashi

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ドレス「タトゥー」

1971年秋冬

デザイナー
三宅一生
ブランド
イッセイ・ミヤケ
レーベル
issey miyake
素材・形状特徴
ライトブラウンの綿ジャージーのワンピース・ドレス。前身頃から後身頃にかけて刺青柄のプリント。後身頃にジミ・ヘンドリックスとジャニス・ジョプリンの肖像のプリント。
クレジット・ライン
株式会社三宅デザイン事務所寄贈
収蔵品番号
AC11749 2007-43-23

三宅の初期を代表する作品の一つ。「タトゥー」と題された本品には、日本の刺青に擬えたプリントが施されている。プリント・デザインは、1971年から三宅の仕事に参画したテキスタイル・デザイナー、皆川魔鬼子。
爛熟期を迎えていたヒッピー・ムーブメントの中、若者に圧倒的な支持を得ていたロック・ミュージシャン、ジミ・ヘンドリックスとジャニス・ジョプリンは、70年秋、共に20代で夭折した。本品は彼らへの、三宅の鎮魂歌であろうか。パリ・オートクチュールに学んだ三宅は、一握りの人のためにではなく、プレタポルテという新しいファッション・システムによって、世界の多くの人のための〈服〉を日本から世界に向けて打ち出そうとした。ロックと刺青、若者文化と伝統的な庶民文化のクロスオーバーには、彼の主張と時代性が強くにじみ出ている。

1970s