KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

スーツ(ジャケット、パンツ)

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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スーツ(ジャケット、パンツ)

1975年頃

デザイナー
ピエール・カルダン
ブランド
ピエール・カルダン
レーベル
PIERRE CARDIN
素材・形状特徴
茶系の千鳥格子のウール・ニット。ジャケットは3つボタンのシングルブレステッド、段返り襟。パンツは革の側章と裾にファスナー。
クレジット・ライン
リチャード・ウェラー氏寄贈
収蔵品番号
AC10383 2000-42-3AD

千鳥格子の生地に革のトリミング、パンツの裾にはファスナー。組み合わせはシャツではなく、タートルネックのセーター。何より全体的に細身のシルエットである。ヴェネチア生まれのピエール・カルダンは、テイラー仕立ての技術を習得した後、パリに移り住む。パキャンやディオールなどでオートクチュールを学び、1953年にブランドを創設する。前衛的なファッションを提案し続けた彼は、いち早く時代を読み60年に男性服に進出し、シリンダー・ラインなどを発表。カルダンはスーツのなかに多様なデザインの可能性を創造した代表的なデザイナーといえる。またこうした細身のスーツからは、再び脚光を浴びたモッズ・スタイルなどの当時の流行の影響を感じることができる。

1970s