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京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

チュニック、パンツ[左] チュニック、パンツ[右]

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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チュニック、パンツ[左]
チュニック、パンツ[右]

1975年頃[左]
1970年代初期[右]

デザイナー
ジョルジオ・サンタンジェロ[左]
スティーヴン・バロウズ[右]
ブランド
サンタンジェロ[左]
スティーヴン・バロウズ[右]
レーベル
SANT’ANGELO[左]
stephen burrows[右]
素材・形状特徴
赤いポリエステル・トリコット。タイとカフスは紫とオレンジのポリエステル・トリコット。[左]
緑のポリエステル・トリコット。袖はライト・イエローのポリエステル・トリコット。袖口と裾に赤いステッチ。[右]
収蔵品番号
AC9731 1998-38-1, AC9742 1998-43-3 [左]
AC9740 98-43-1AB [右]

1960年代後期、ヒッピー・ムーブメントや公民権運動といった大きな社会的運動が巻き起こったアメリカ。その動きがいち早く感じられるデザイナーたちの作品である。伸縮性に富むトリコットで作られたチュニックとパンツは活動的で、鮮やかな色彩の組み合わせがシンプルな服にヴィヴィッドなアクセントを加えている。
イタリア生まれのジョルジオ・サンタンジェロはフィレンツェ大学で建築を学んだ後ディズニーのアニメーターとして渡米。その後テキスタイル・デザイン等を手掛け、1966年にプレタポルテを開始した。ヒッピー・スタイルの隆盛を背景に、様々な国々の土着的な衣装の要素をフュージョンさせたエスニックなファッションを発表し、装飾だけでなく裁断においても伝統的な手法に捉われない新たな試みを提案した。
スティーヴン・バロウズは、アフリカ系アメリカ人として世界的知名度を得た初のファッション・デザイナー。ニューヨークファッション工科大学等で学んだ後、1968年からプレタポルテのデザインに携わった。ソウル・ミュージックが流行し、黒人のストリート・ファッションへの注目が高まる中、バロウズは色鮮やかなジャージやニットを多用したディスコに最適な街着を打ち出した。
二人の文化的背景は異なるものの、共に非西洋的な志向性を持ち、西洋の伝統的な服作りに盲従しない、生き生きと動く身体のためのファッションを提案した

1970s