KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

シャツ

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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シャツ

1977年頃

デザイナー
ヴィヴィアン・ウエストウッド、マルコム・マクラーレン
ブランド
セディショナリーズ
レーベル
SEDS 430 King's Rd., Chelsea tel:351 0764
素材・形状特徴
白い綿ガーゼに女性の胸の写真を転写プリント。ストラップ、マジック・テープ。金具。
収蔵品番号
AC10367 2000-34-2

ウエストウッドとマクラーレンの初期の代表的なデザイン、「ティッツ(おっぱい)」モチーフの一点。服を着ることによって裸になるというパラドックスを生み、男性が着用すれば性の揺らぎをも生じさせ、現実を混乱させる。このモチーフのTシャツは、「セックス・ピストルズ」のドラマー、ポール・クックに愛用されたことで知られる。
1970年代末、ロンドンのキングス・ロードには社会的異議申し立てをしようとする若者たちが集まった。彼らは、引き裂いた服に安全ピン、ボンデージ、異様な色のヘアといったファッションによってそれを示そうとし、パンクと呼ばれた。ウエストウッドの当時のパートナー、マルコム・マクラーレンがプロデュースしたパンク・バンド「セックス・ピストルズ」は、パンク・ファッションに身を包み、閉鎖的な階級社会を批判する過激な歌詞を叫び、若者の心を捉え、世界的な注目を集めた。彼とウエストウッドとの共同ブティック「セディショナリーズ(反乱扇動者たち)」は、パンク・ファッションの聖地とみなされた。

1970s