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京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)

© The Kyoto Costume Institute, photo by Toru Kogure

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ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)

1760年頃 - イギリス

素材・形状特徴
黄色い絹タフタ。共布の縁飾り、2段のパゴダ型袖。共布のペティコート。バンド付きのストマッカーは、麻に黄色の絹糸で植物模様をキルティング刺繍。
収蔵品番号
AC5761 88-11AB

18世紀の典型的な女性服、ローブ・ア・ラ・フランセーズ。しなやかでいて張りのある絹タフタの艶やかなきらめきが、黄金色に輝いている。 黄色は中世まで、キリスト教文化において異端の色、蔑みの色と認識されていた。一方、中国では黄色は皇帝の色であり、民衆が用いることは禁じられていた高貴な色だった。中国趣味(シノワズリー)の流行とともに、ヨーロッパでも黄色はファッショナブルな色として使われるようになる。 18世紀の女性服は胸元が大きく開いていた。フィシューはこの部分をゆったりとつつむように両肩から胸にかけて着装する三角形の肩掛け。ジャン・エティエンヌ・リオタールの《エピネー夫人》(1769年頃、ジュネーブ歴史美術館)に類似のフィシューの着装方法が描かれている。

1760s-1770s