KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ソーイング・ボックス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ソーイング・ボックス

18世紀後期 - フランス

素材・形状特徴
藁による唐草、幾何学模様の寄せ木張り装飾。蓋には鏡と建造物や植物を模した装飾。内箱は6室に区切られそれぞれ蓋付き。
寸法
22cm (縦) / 33cm (横) / 11.2cm (高さ)
収蔵品番号
AC29 77-5-18AL

藁の寄せ木細工が全面に施されたソーイング・ボックス。蓋外面には帆船と街の風景柄が象嵌されており、彩色されていた形跡がある。外箱の内面や内箱にも寄せ木細工が施され、色とりどりの着色がされている。藁細工は18世紀ヨーロッパの各地で製作されていた。藁の茎を開き、平面に伸ばした後、紙の上で接ぎ合わせて板状にしたものを使用する。
寄せ木細工は17世紀から18世紀にかけて頻繁に使われた装飾技法。地や模様に使う板を重ね合わせ図案の輪郭に沿って切り取った後でそれぞれを嵌め合わせる「marquetry(象嵌)」や、一定の形に切った板を組み合わせ、連続した幾何学模様を作り出す「parquetry(寄せ木張り)」などがあり、本品の装飾には両者が用いられている。

1780s-1790s