KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

コート「ファイナル・ホーム」

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

画像にマウスカーソルを乗せると拡大します。

コート「ファイナル・ホーム」

1994年

デザイナー
津村耕佑
ブランド
ファイナル・ホーム
レーベル
FINAL HOME
素材・形状特徴
ナイロン製のフード付きコート。ファスナーによる開閉。40以上のポケット。
収蔵品番号
AC9420 1997-2

40以上ものポケットが備わったこの服は、「ファイナル・ホーム」という名前が明快に示しているように、究極的には服がひとつの家になるという考えから生まれた。ポケットに新聞紙を入れれば屋外でも暖かく過ごすことができ、クッションを入れれば野外スポーツの観戦にも役立つ。日常生活の様々な局面で用いることのできるコートは、災害時にも対応可能な柔軟性を持っている。
衣服を家と捉える本品は核家族化が進み、個の生活に重点が置かれた社会を象徴しているとも言えよう。また、本品には不要になった際のリサイクル・システムまでもが組み込まれており、エコロジーのような社会問題も視野に入れられている。

1990s