KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ドレス

1995年春夏

デザイナー
山本耀司
ブランド
ヨウジヤマモト
レーベル
Yohji Yamamoto
素材・形状特徴
黒と白の絹/レーヨンのジャージー。赤と金で菊文様を織り出したポリエステル/レーヨン/ナイロンのブロケード。
収蔵品番号
AC9166 94-34

豪華な帯に使われるような派手やかな金襴を用いたドレス。平面上に置けばほぼフラットだが、着装し、ジャージーのボウを身体に交差させて後ろで結ぶと脇が盛り上がり、ユニークな造形が生まれるこの服は、長方形の1ピースの金襴と、3ピースのジャージーで構成されている。豪華な金襴と日常的な素材であるジャージーという組み合わせが、この服に現代的なニュアンスを与えている。1990年代中期の「ネオ・ジャポニスム」と呼ばれた作品である。
1971年から活動する山本耀司は、81年にパリで初コレクションを発表し、川久保玲と共に欧米に「ジャパン・ショック」を引き起こした。平面的な服を特徴とする日本人デザイナーに対しては、フォルムがない服を作ると批判されたが、彼は、西洋の正統な服作りを熟知し、最も西洋に近い日本人デザイナーとみなされた。当初、日本の伝統的美意識を直接的に引用しなかった山本は、この頃から日本の着物や帯の要素を現代ファッションに再構築していく。

1990s