KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス(プレゼンテーション・ドレス)

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takeru Koroda

画像にマウスカーソルを乗せると拡大します。

ドレス(プレゼンテーション・ドレス)

1890年頃

ブランド
エリーズ
レーベル
BY SPECIAL APPOINTMENT “DRESS MEKERS” TO H.R.H. THE “PRINCESS OF WALES” Elise Ld. 170 REGENT ST. LONDON
素材・形状特徴
白い絹サテンのボディスとスカート。絹チュール、造花の装飾。
収蔵品番号
AC2389 79-21-1AB

白い絹サテンにチュールを重ね、さらにバラとジャスミンの造花が装飾されている。造花は蝋引きされた布と蝋引きされていない布の2種類が使用され、活き活きとした立体的な花々となっている。
造花の歴史は古代に遡ると伝わる。ドレスの装飾に使用されたことで著しく知られるのは、夥しい装飾が欠かせなかった18世紀のフランス貴族の女性服であろう。19世紀のイギリスにおける花言葉の普及も伴って、造花は進化した。
エリーズは、1863年にイギリス王太子(後のエドワード7世)と結婚したアレクサンドラの花嫁衣装を担当し、以降御用達となったドレスメーカー。本品はイギリス王室の公式行事への参列者のために作られ、参列の際には銀ラメ製の肩からの長さ361.5cmのトレーンを着用したと伝わっている。

1890s