KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ドレス

1802年頃 - フランス

素材・形状特徴
白の綿モリスン。ワンピース・ドレス。裾と前面に植物模様の刺繍。前中心と袖、衿ぐりにドロン・ワーク。トレーンをひく。
収蔵品番号
AC2086 79-5-16

古代ギリシア・ローマの彫像を思わせるハイ・ウエストのドレス。肌が透けて見えるほど薄い白の綿モスリンで作られたドレスは、シュミーズ・ドレスと呼ばれ、19世紀初頭のファッションを特徴づけている。新古典主義が広がった18世紀後期、自然への憧憬が強まるとともに、宮廷での過剰で人工的な造形美とは対照的な簡素な衣服が流行の兆しを見せていた。その傾向は1789年のフランス革命によって一挙に進み、身体を大胆に解放した革新的で現代的な身体意識の現れともみえる服飾が現れた。しかし、その後、ほぼ1世紀の間、女性は再びコルセットに支配されることになる。ごく短い間に現れたこの先鋭的なスタイルは、近代の女性服の歴史の中で特異性を放っている。

1800s-1810s