KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

男性用コート、ウエストコート

© The Kyoto Costume Institute, photo by Toru Kogure

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男性用コート、ウエストコート

1790年頃 - フランス

素材・形状特徴
コートはブルー、グリーンなどの絹タフタとサテンの縞柄。折り返し付きの立ち衿、カッタウェイの前裾。ウエストコートは青の絹ファイユに草花柄と風景画の刺繍、ウイング・カラー。
収蔵品番号
AC5146 85-28-2AC, AC5667 87-35-1

精緻な刺繍によってウエストコートに描かれた古代ローマ風のアーチや列柱。18世紀後期は、新古典主義の影響もあり古代ローマやゴシックの遺構や廃墟が絵画のモチーフや庭園の設えなどに頻繁に取り上げられた。
1780年代末からフランス革命直前、コートを華々しく飾っていた刺繍も姿を潜め、縞柄が流行した。ウエストコートの丈は非常に短く、折り返し衿付きとなった。この時代以降19世紀前半まで、コートが簡素化する中で、男性ファッションの華やかさを引き受けるのはウエストコートである。

1780s-1790s