KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

デイ・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takeru Koroda

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デイ・ドレス

1895年頃

素材・形状特徴
アイボリーの絹とウールの交織。3つのクロスと三本線を組み合わせた小柄の紋織。ジゴ袖。襟にビーズ飾り。
収蔵品番号
AC999 78-30-13AB

ファッションは時おり歴史を参照し、リバイバルとして新たな流行を引き起こしてきた。1830年代に現れた袖の大きな膨らみはその好例で、バロック期の服飾からの引用と考えられている。さらに1890年代にはそのリバイバルが更新され、再び袖の膨らみが増した。マルセル・プルーストは小説『失われた時を求めて』のなかで、19世紀末の袖の特徴を「黒サテンのドレスには、肩口の軽いふくらみで1830年型の「マンシュ・ア・ジゴ」がしのばれ」と表現するなど、ファッショナブルなスワン夫人の装いのなかに度々、当時のリバイバルの様子を描き込んでいる。このような袖の膨らみを実現するためには衣服構成上の様々な仕掛けが必要だった。1830年代は袖の下に羽毛を詰めたスリーブパッドを装着したり、1890年代には異なる生地を何重にも縫い込むなどの工夫がなされた。

1890s