KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

扇

© The Kyoto Costume Institute, photo by Toru Kogure

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1760年代 - オランダ

素材・形状特徴
人物像と果実や花を配した手描きの扇面。紙製。金・銀箔を使用した象牙透かし彫りの骨。
寸法
28.0cm(親骨の長さ)/51.0cm(扇面幅)
収蔵品番号
AC5778 88-19-7

檜扇型(折りたたみ式)の扇面いっぱいに、庭園でくつろぐロココの宮廷人などを精緻に描いている。象牙の骨には精巧な透かし彫りや象嵌細工が施され、本品は当時の工芸レベルの高さを示している。 中国伝来の団扇が古代に日本に伝わり、木の板を綴りあわせた折りたたみ式の檜扇が日本で誕生した。やがて扇面の片面に紙を張り付けた扇は平安時代末期に中国に伝わり、白檀や象牙に金銀を飾った扇面の両面に紙を張り付けた唐扇が生れた。扇が東洋貿易を介してヨーロッパにもたらされたのは15〜16世紀頃。17世紀、パリを中心に扇の製作が始まり、やがて18世紀にはヨーロッパ各地での製作が開始された。

1760s-1770s