
© The Kyoto Costume Institute, photo by Taishi Hirokawa
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ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)
1775年頃 - フランス
- 素材・形状特徴
- ベージュの絹サテンに細いストライプと水玉模様のブロケード。前身頃はコンペール形式。共布のペティコート〈ジュップ)。立体的な装飾ブイヨネの飾り。フライ・フリンジ、シュニールなどによる繊細な装飾。
- 収蔵品番号
- AC7716 93-5AB
見事な手仕事の極みを示すドレスである。上品な単色に抑えられているが、針と糸による様々な装飾で静謐な優雅さを漂わせ、絹サテンの艶めく光沢が泡立ったような凹凸装飾によって、よりいっそう増強されている。布を寄せて立体を作るブイヨネ、中綿を入れて膨らませたブチ、チューブのような形状に布地を寄せるチュイヨテなどの、フランスの典型的な糸と針による一種のキルティング装飾技法による装飾が繰り返されている。これらのいわば素朴な手法は、本品では見事な洗練の技法へと高められている。さらにフライ・フリンジ、シュニール糸などによる繊細な装飾も、ロココのフランス宮廷文化の粋を見るような優雅な美の表現である。
1760s-1770s
KCI