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京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)

© The Kyoto Costume Institute, photo by Toru Kogure

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ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)

1765年頃 - フランス

素材・形状特徴
水色に花づな模様のカルトゥーシュの中に花束模様を配置したリヨン製絹シネ。立体的にふくらませた共布の縁飾り。2段のパゴダ型袖。共布のストマッカーとジュップ。
収蔵品番号
AC5317 86-8-5AE

軽快優美、自由奔放といったロココ的な好みを示したドレス。本品のテキスタイルは、解(ほぐ)し織りの一種、シネ・ア・ラ・ブランシュ。水に濡れて滲んだようなこの織物は、織る前にあらかじめ模様を染めた経糸で模様を織りだしていく。この技法は高度で難しく、大柄のシネは当時のヨーロッパではリヨンだけで製作された。シネは高価な夏用の素材として18世紀中頃に流行し、多くが絹タフタなどの軽い布に仕上げられた。その軽快な風合いとパステル調の色使いに特徴が見られ、ルイ15世の愛妾ポンパドゥール夫人が愛用したことから、しばしばポンパドゥール・タフタとも呼ばれる。

1760s-1770s