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京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)

© The Kyoto Costume Institute, photo by Taishi Hirokawa

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ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ)

1760年頃 - イギリス

素材・形状特徴
オフ・ホワイトに様式化した植物柄のスピタルフィールド製絹ブロケード。ガウンと共布のペティコートに金レースと銀ゴーズの縁飾り。2段のパゴダ型袖。ガウンと共布のストマッカーは金・銀レースとフライ・フリンジの飾り。
収蔵品番号
AC4891 84-23-1AC

スピタルフィールズ製の豪華な絹織物、白地の縫取織(ぬいとりおり)で作られた本品は、スコットランドの城に伝わったもの。地模様に白絹糸の浮紋による曲線の植物柄と銀糸による緯ストライプ、その上の絵模様に3種の金糸と11色の絹糸による植物柄が織り込まれ、テキスタイル全体が金銀のきらめきを放っている。絵模様だけでなく、地模様にも複雑な織柄を表わしたテキスタイルは、18世紀半ばのスピタルフィールズ製絹織物の技巧の高さを示している。 ロンドンのイーストエンドに位置するスピタルフィールズでは、1700年頃から絹織物産業が発展した。18世紀半ばには、名声を誇ったフランスのリヨン製織物に匹敵するほど、その質の高さとデザインで知られた。イギリス国王ジョージ3世の王妃シャーロット[1744-1818]は、自らスピタルフィールズ製絹織物のドレスを身にまとい、スピタルフィールズ製絹織物を奨励した。

1760s-1770s