KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ドレス

2000年春夏

デザイナー
渡辺淳弥
ブランド
ジュンヤ・ワタナベ・コム・デ・ギャルソン
レーベル
JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS
素材・形状特徴
オレンジ、グレー、茶のチェックをプリントしたポリエステル平織りに、ひだ状の透明フィルムを全面に縫い付けたドレス。共布のフード。
収蔵品番号
AC10284 2000-6-15A

渡辺淳弥は新素材を探求し、その特性をデザインに最大限に発揮する。不思議な質感を持つ本品には、彼の力量がよく表れている。ポリプロピレンの鱗をまとったシンプルな筒型ドレスは一見すると無機質な雰囲気を持っている。しかし、体の動きにあわせてたわむ時、質感はがらりと表情を変え、見る者の気持ちをざわめかせる。彼は通気性と撥水性を高める特殊な糸と、その組み合わせや染め方を選び、肌触りが良いような織り方に配慮してハイ・テクノロジーでファンタジーにあふれた服に仕上げた。このシーズンのショーは「洗濯80回にも耐えうる」(『繊研新聞』1999年11月8日)という撥水性を証明するため、ランウェイに人工的な大雨を降らせるという奇想天外な、楽しい演出となった。

2000s