KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ジャケット

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ジャケット

2010年

デザイナー
マリテ・バシェレリー、フランソワ・ジルボー
ブランド
マリテ+フランソワ・ジルボー
レーベル
MARITHÉ+FRANÇOIS GILBAUD
素材・形状特徴
ブルーの綿デニム。Wattwash(ワットウォッシュ)加工で描かれた人物画。
クレジット・ライン
マリテ+フランソワ・ジルボー寄贈
収蔵品番号
AC12570 2011-11

水をほとんど使わずレーザーでデニムの表面を加工する「Wattwash(ワットウォッシュ)」の技術で、後ろ身頃全面に人物画が描かれている。モチーフとなった絵画は、2010年パリで開催された小展「ブルー・ジーンズの巨匠」に出展された《A Beggar Boy with a Piece of Pie(一切れのパイを持つ物乞いの少年)》。本展は17世紀頃のイタリアで活躍した画家による、労働者たちの日常風景を描いた絵画15点に焦点を当て、画中の庶民が着るジャケットやズボンに、白糸を織り交ぜた青色の布が使われていることを確認する。デニムに似た特徴をもつこの生地は、ジェノヴァとその周辺の都市で作られ、ジーンズの語源となったと本展の企画者は述べている。マリテとフランソワは1960年代からデニム産業に携わってきた。彼らは60年代末、ヒッピー風の装いが流行するなか、石とともに洗ってジーンズを古着風に加工する「ストーンウォッシュ」を開発。83年からは「マリテ+フランソワ・ジルボー」名でジーンズを核に、日常性に根付いたスポーティなファッションを提案。ワットウォッシュは近年の環境保護意識の高まりを背景に水質汚染軽減に役立つ技術として開発した。

2000s