KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ジャケット、パンツ

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ジャケット、パンツ

2003年秋冬

デザイナー
ヴィクター・ホスティン、ロルフ・スノラン
ブランド
ヴィクター&ロルフ
レーベル
VIKTOR & ROLF
素材・形状特徴
黒の変わり織のウールのジャケットとパンツ。衿の部分は綿、絹によるニュートラルなピンクやブルー、白などの8枚重ね。ウエストに切り替え。インサイド・ベルトとスナップによってウエストで固定される。
収蔵品番号
AC11077 2004-4AB

現代のベーシックなアイテムを誇張した独特のボリュームとレイヤードによって表現した2003年秋冬コレクションの作品。現代の色彩環境のなかでの「見せ方」にきわめて敏感なヴィクター&ロルフは、黒と白、ベージュという現代衣服の基本色を用いながら、〈循環する色彩〉をほのめかす。移り変わる流行色やモデル・チェンジは、製品の差異を更新するための産業社会の常套手段。色彩が氾濫する現代社会は、あるいは市場がはてしなく差異を更新することを要求してきたことの一つの到達点とも言えないだろうか。一方で、19世紀の男性服が採用していた無彩色や控えめなニュートラルな色彩は現代女性服にもベーシック・カラーとなっていった。

2000s