KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ジャケット、セーター、スカート、パンツ、スカーフ、ベルト、バッグ、手袋、ブーツ

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ジャケット、セーター、スカート、パンツ、スカーフ、ベルト、バッグ、手袋、ブーツ

2001年秋冬

デザイナー
高橋盾
ブランド
アンダーカバー
レーベル
UNDER COVER
素材・形状特徴
ウール、モヘア、合成皮革など、6種の素材使い。織り、刺繡、ペイント、プリントによる格子柄。
収蔵品番号
AC10377 2000-41-1AN

1990年代末から2000年代初頭にかけて、ファッションはより細身のシルエットへと舵を切り、人々の関心は身体への直接的な装飾ともいえるタトゥ、化粧、ピアスなど皮膚表面の加工へと向かった。高橋は、本コレクションにおいて服のみならず肌やカツラにも統一された図柄で全身を覆い尽くす作品を発表した。服と肌の境界が曖昧になったこの時代の象徴的なコレクションといえよう。本コレクションのテーマは「Melting pot(るつぼ)」。図柄にはゴブラン織風の花柄やアーガイル柄、そしてタータンといった伝統的ともいえるものが含まれた。本品ではニットや皮革などさまざまな生地を寄せ集めて、タータン本来の綾織による格子柄の特徴をそれぞれの生地のなかに丹念に再現している。ここでは多様な人種、民族、文化が存在する「るつぼ」の要素を表現するうえで、タータンが特定の地域や伝統を想像しやすい記号として機能しているといえる。

2000s