KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ジャケット

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ジャケット

2003年春夏

デザイナー
トム・フォード
ブランド
グッチ
レーベル
GUCCI
素材・形状特徴
青のレーヨン・トリコットのジャケット。菊と家紋の柄をプリント。白の白のレーヨン・ トリコットの衿。キモノ・スリーヴ。
収蔵品番号
AC10904 2003-10

丈の長いきもの風の袖に、襦袢に付ける替え襟(半襟)を思わせるテープ状の白い付け襟が特徴的なジャケット。上部には菊柄、下部には瓜の断面をデザイン化した家紋(「四方木瓜(しほうもっこう)」)を模した図柄のプリントがあしらわれている。カッティングも直線的で、フォルム、モチーフとその配置、ディテールにきものからの直接的な影響を見ることができる。本来、きものに家系や血統を表す家紋を使うとき、定式的な装飾以外あまり用いられないが、ここではより自由な発想で使われている。
トム・フォードは1994年から2004年までグッチのクリエイティブ・ディレクターを務め、イタリアの老舗高級皮革ブランドをラグジュアリーなトレンドセッターへと変革した。ミニマルで官能的なデザインを得意とするフォードにとって、異国情緒を喚起させる日本のモチーフは彼の制作スタイルとの親和性が高かっただろう。

2000s