KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ドレス

2001年春夏

デザイナー
ジョン・ガリアーノ
ブランド
クリスチャン・ディオール
レーベル
Christian Dior BOUTIQUE PARIS
素材・形状特徴
白の絹ジャカードにプリント。ボディス部はプリントを施したビニールに、赤い綿チュールを重ねている。ストラップは赤の皮革とファスナー。
収蔵品番号
AC10446 2001-5

このセクシーで遊び心に満ちたデザインのワンピース・ドレスには、日本の優美なイメージが重ねられている。スカートは、アシンメトリーで、ボディス部につながるホルター・ネックがデコルテの美しさを強調している。胸や腰に配されたファスナー、ボディス部に配されたビニール素材が現代的な感覚を加えている。菊、梅、源氏車などの日本の伝統的な文様が、薔薇とバルコニーに佇む女性を多色で華やかに織り出した白い絹の上にプリントされている。印象的な図柄のテキスタイルは、日本の典型的なきものの文様(御所解文様)を連想させる。
19世紀後半にジェームス・ティソをはじめとする画家たちが描いた官能的な女性たちが着るこのタイプの小袖は、人々の異文化への憧れを掻き立てた。ガリアーノはジャポニスムの画家たちが見たのと同じきものの官能性を巧みに利用し、刺激的な女性像を表現してみせた。

2000s