KCIDigital Archives

京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

ドレス、靴下、靴

© The Kyoto Costume Institute, photo by Takashi Hatakeyama

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ドレス、靴下、靴

2001年春夏

デザイナー
川久保玲
ブランド
コム・デ・ギャルソン
レーベル
COMME des GARÇONS
素材・形状特徴
緑のキュプラのオーガンジーと白の綿シーチング。ドット・プリント。ソックスは緑のナイロンにドット・プリント。ストラップ・シューズは黒と白の牛革。
収蔵品番号
AC10437 2001-3-5AE

2種類のドット・プリントの生地が重ねられているために模様に微妙なズレが生じているが、ズームアウトしてみるとそれが迷彩柄であることが視認できる。川久保が本コレクションで発表した作品の多くは、ドット柄のほかにもオプティカル柄や千鳥格子柄、チェッカー柄など錯視を伴い眩惑を誘うような図柄であった。それを補完するかのように、ショーのランウェイはモデルたちが両サイド最前列の観客のすぐ目の前をかすめるほどに幅が狭められ、あたかも過密で雑多な風景に紛れ込んだようなシーンが作り出された。しかし、緑の濃淡による斑(まだら)模様がドットに分解され、抽象化されてもなお、迷彩柄は見る者に強いインパクトを与える。本コレクションで示されたのは、そうした図柄がもつ視認性の強度であった。

2000s