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京都服飾文化研究財団(KCI)の収蔵品から選りすぐった作品を、画像と解説付きでご覧いただけます。

デイ・ドレス

© The Kyoto Costume Institute, photo by Kazuo Fukunaga

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デイ・ドレス

1875年頃 - 製作国不詳

素材・形状特徴
青い羽根の模様をプリントした白の麻オーガンジー。ツーピース・ドレス。裾にフラウンス飾り。
収蔵品番号
AC2210 79-9-15AB

ドレスのシルエットの変化が著しかった19世紀後半、1860年代末から80年代にかけてバッスル・スタイルが流行した。臀部がはり出すこのシルエットはバッスルと呼ばれる下着を用い、さらにオーバースカートの後ろ部分をたくし上げて臀部にボリュームを出す。80年頃にはいったん臀部のはり出しが小さくなるが、80年代半ばにかけて再び臀部が大きく膨らんでいく。
当時の欧米社会において、生活にゆとりができた人々は戸外でのレジャーを楽しむようになり、ファッションは一般的な庶民までもが享受できるようになった。そこで着られたのは本品のような太陽光に映える薄く透けたオーガンジーやターラタン製のドレスだった。
印象派の画家は「モデルニテ(近代性)」の表象として数年ごとに目まぐるしく変わるシルエットを鮮やかにうつし取っている。オーギュスト・ルノワールは《ぶらんこ》(1876年/オルセー美術館蔵)で、本品と類似のドレスを着た女性を描いた。

[参考]
オーギュスト・ルノワール《ぶらんこ》(1876年/オルセー美術館蔵)
http://www.google.com/culturalinstitute/asset-viewer/ywHQ_VpAHNNDMg

1870s-1880s